☆環境への負担は最小限
ストローの形として生えてくるセジーはエコロジカルフットプリント(排気ガスなど環境負担)が極限に小さいです。PLA(ポリ乳酸)と植物繊維で作られるいわゆる "bio plastic" のストローと比べ、製造過程で消費されるエネルギーや水の量も圧倒的に少ないです。また、特定のコンポスト環境でしか土に戻らないPLAと違い、間違って外で落としても安心です。
*捨てる場合は通常のゴミ箱ではなく、生ゴミやコンポストに捨てましょう。ゴミ袋に入った状態で埋め立て地に流れても意味がありませんからね。
☆とにかく水分に強い
ふやけたり、解けたりは一切しません。湿地帯に自生するセジーは水によって活かされています。飲み物に入れてしばらく経つと、植物本来の弾力性が出て、生き生きしてきます!その後、折り曲げても元どおりに戻ります。
*浸透時間、ストローの個体によって強度に差があります。
☆生態系の保護につながります
ベトナム南部の湿地帯を生息地とする動物がいっぱいいます。その中で絶滅危惧種に登録されているオオヅル(Sarus Crane)はその生態系の貴重な一員です。
セジー畑のすぐそばに自社工場がありますが、私たちも幻想的に空を飛ぶオオヅルの姿を一度しか見たことないほど減少しています。インドでは「愛の象徴」とされ、つがいが一度結ばれたら一生添い遂げるのです。近年ホーチミンの急成長に伴い田んぼや工場が拡大しています。この環境を守ることでオオヅルも含めた生物多様性に富んだ生態系の保護につながります。
国際自然保護連合(IUCN)のサイト参照。
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以下「動物辞典」から引用。
最新バージョン:2020年、3回更新
絶滅危惧種
IUCNレッドリストカテゴリー:絶滅危惧II類 (VU)
説明:絶滅の危険が増大している種
IUCNレッドリストサイト ⇒ オオヅル
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Q:「すげを収穫しすぎたらその環境もなくなるのでは?」
A: そんなことありません。その答えが農法にあります。
☆リジェネラティブ・ファーミング(環境再生型農業)とは?
大気にある二酸化炭素を綴じ込み、作物を入れ替えて土壌を改善、微生物まで生物多様性を向上させるなど、環境を維持する為に自然の力を最大限に生かした農業。
ベトナム南部の湿地帯は特殊で、鉄分が多く、アルカリ性が非常に強い場所です。そのため、元気に育つ植物は限られてしまいます。
しかし菅、稲、芦など、イネ目だけが青々と生い茂ります。
セジー農業に用いているリジェネラティブ・ファーミングは定期的な「移植」が中心になっています。約12ヶ月成長したすげは密度濃く生えてきて、収穫時期を迎えます。束となった一番強いものを根っこごと集められ、違う畑に移植します。そして想像の通り、循環。
こうして自然本来の持続性を促すことでオオヅルの生息地、原料の確保、雇用の安定、プラスチックストローの大幅な削減、結果的に環境汚染の改善が可能になります。
☆農産地での雇用を生み出す
最近多くの人が仕事を求めて田舎から都会に移住しています。おかげで貧困から脱出することができて、ベトナムは東南アジアの中で経済成長率ダントツNo.1です。その反面、都会以外では過疎化が進んでいます。すげ農家や工場のスタッフ、地方の印刷会社、流通会社など、多業界にわたり雇用を作り、ローカル経済に貢献しています。
☆フェアな値段設定
これから世界各国の使い捨てプラスチックに関する法律が変わっていく中、とりわけ先進国の消費習慣の見直しを責められています。値段も極力下げずに、環境問題への意識拡散、ベトナム現地の生活向上はもちろん、地域社会のステークホルダー全員の「サステイナブル」を目指しています。
☆ジェンダーイコーリティを重んじた体制
ベトナムは女性が役職を務める割合がアジアの中で2位。
YNI Vietnamのオーナーの一人もその一員。現地の本部社内では従業員の9割は女性。仕事に対して真面目だけではなく、組織として女性エンパワーメントを推進することで地域に新しい風を吹き込み、経済発展に貢献できます。
セジー:Lepironia Articulata, ベトナム語: Co Bang.
学名:レピロニア・アルティキュラタ(Grey Sedge)
(目:イネ [Poales] 科:カヤツリグサ [Cyperaceae, "Sedge," 菅の仲間] 属: レピロニア [Lepironia] 種: アルティキュラタ[Articulata])